文化
開館35年目の問いかけ - 葉山「山口蓬春記念館」秋季特別展で蓬春と次世代の日本画に出会う
大正から昭和の日本画壇をリードした山口蓬春の旧邸宅に、2026年秋、蓬春と次世代の画家たちが対話する特別展が開幕した。11月15日まで。
葉山町一色の丘の中腹に、日本画家・山口蓬春(1893〜1971)が晩年を過ごした邸宅がある。その旧邸宅を改装し、平成3年(1991)10月15日に開館した山口蓬春記念館は、令和8年(2026)に開館から35年を迎えた。その節目を記念して、9月19日から「開館35周年 ―蓬春から次世代へ」と題した秋季特別展を開催している。期間は11月15日(日)まで。
展覧会が着目するのは「日展」という舞台だ。蓬春が作品発表の場とし、後進の育成にも力を注いだこの公募展を軸に、蓬春の門下やその同世代の作家たちを合わせて紹介する構成になっている。蓬春は昭和20年代、平面性を意識した空間処理と洗練された色調による現代的な表現を追い求め、戦後の日本画壇を牽引したとされる。その実践が次の世代の画家たちにどのように受け継がれていったかを、作品の比較を通してたどることができる。
展示には、戦後初の日展出品作で蓬春の代表作とされる《山湖》(松岡美術館蔵)を特別展示するほか、東山魁夷、高山辰雄らの作品も並ぶ。いずれも昭和日本画の系譜を語るうえで欠かせない名前だ。また期間中には学芸員による展示解説を複数回実施する予定のほか、10月15日の蓬春の生誕日に来館した人にはポストカードのプレゼントも用意されている。
開館時間は10時から16時30分(最終入館16時)。休館日は毎週月曜日(9月21日・10月12日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)。入館料は一般600円、高校生以下無料。所在地は神奈川県三浦郡葉山町一色2320、電話番号は046-875-6094。逗子・葉山駅から徒歩・バスでアクセスできる。蓬春が晩年を過ごした近代数寄屋建築の空間そのものも、秋の葉山を訪ねる理由になる。

