大磯の海沿いをサイクリングで走る - 太平洋岸自転車道と旧吉田茂邸を巡る快走ルート
西湘バイパスに沿って整備された「太平洋岸自転車道」を軸に、大磯港・照ヶ崎海岸・旧吉田茂邸をつなぐサイクリングルートを案内する。シェアサイクルの借り方から立ち寄りスポットまで、大磯を自転車で巡るための実用ガイド。
大磯駅を降りると、相模湾への道はすぐそこにある。駅前広場にはHELLO CYCLINGのシェアサイクルステーションがあり、アプリから会員登録するだけで電動アシスト自転車を借り出せる。料金は神奈川県エリアで2025年4月改定後:30分160円〜、12時間2,500円〜(神奈川県)と、半日かけてゆっくり巡るには手ごろな選択肢だ。ステーションは大磯駅前広場のほか、大磯城山公園やポートハウスてるがさき前など町内複数箇所に設置されており、乗り捨てにも対応している。大磯町観光協会の観光案内所(大磯駅前)でもレンタサイクルを扱っているので、事前にアプリ登録が難しい場合はそちらに問い合わせるとよい。
自転車を手にしたら、駅から海へ向かい、大磯港を目指す。港の手前、134号線が西湘バイパスへと切り替わるあたりに「太平洋岸自転車道」の入口がある。大磯町公式サイトによると、この自転車専用道路は西湘バイパスに沿って造られており、令和2年(2020年)6月に大磯プリンスホテル付近まで全線開通した。東は国道134号線に沿って花水川手前で金目川サイクリングコースへとつながり、西は大磯プリンスホテル付近まで延びる。大磯港から旧吉田茂邸前あたりまでの専用道路区間は、1987年に整備されたもとの2.4kmに、旧吉田茂邸南側から大磯西ICまでの約300mが加わり、現在の姿になった。バイパスの高架がすぐ隣を走るため風除けにもなり、舗装状態は良好。箱根や丹沢の山並みを背景にした相模湾の水平線が視界に広がり、条件のよい日には遠く富士山のシルエットも望める。
太平洋岸自転車道を西へ走り続けると、やがて旧吉田茂邸の表示が見えてくる。大磯城山公園内の旧吉田茂邸地区に整備されたこの邸宅は、戦後の内閣総理大臣として活躍した吉田茂が本邸として使用し、晩年を過ごした地だ。2009年の火災で大部分が焼失したが、大磯町と神奈川県の協力によって再建され、2017年から一般公開されている。昭和22年頃に建てられた応接間棟と、近代数寄屋建築で知られる吉田五十八が設計した新館を中心とした復原建築を見学できる。開館時間は9時00分から16時30分(入館は16時まで)、月曜日・毎月1日・年末年始は休館。自転車は邸内駐車場そばに停め、徒歩で見学する形になる。
帰路は往路を引き返す形が最もシンプルだが、時間に余裕があれば大磯港に立ち寄るのがおすすめだ。港の東側には大磯町の交流拠点「OISO CONNECT」が整備されており、サイクルラックも用意されている。照ヶ崎海岸は大磯が「日本初の海水浴場」として知られるゆかりの地で、海水浴場発祥の地碑も立つ。また旧東海道沿いには俳人の道場「鴫立庵」や歴史ある商家が点在し、自転車を降りてゆっくり歩くのも大磯らしい時間の使い方だ。走行距離は大磯駅を起点に旧吉田茂邸往復で約7〜8km程度。電動アシスト自転車なら体力的な負担も少なく、半日あれば歴史と海を両方味わえる大磯サイクリングを満喫できる。

