観光
江の島を1日で歩き尽くす——王道から穴場まで、エリア別モデルコース
都心から約1時間、相模湾に浮かぶ江の島は、神社・洞窟・展望台・しらすグルメが一島に凝縮した唯一無二の観光地だ。動線を意識して回れば、初めての人も効率よく島の魅力を味わい尽くせる。
江の島への玄関口は、小田急線「片瀬江ノ島」駅、江ノ電「江ノ島」駅、湘南モノレール「湘南江の島」駅の3路線。いずれの駅からも、江の島弁天橋を渡って島の入口「青銅の鳥居」へ向かう。島内は坂と階段が多いため、効率よく回るには、登りは有料の屋外エスカレーター「江の島エスカー」を活用し、島の奥に向かって進む「一方通行ルート」を基本にするのがポイントだ。体力と時間を温存しながら、下りは景色を眺めつつ自分のペースで戻れる。
島に入ったらまず、仲見世通りを抜けて江島神社の「辺津宮(へつみや)」へ向かおう。欽明天皇13年(552)の創建と伝わる江島神社は、辺津宮・中津宮・奥津宮の三社を総称する日本三大弁財天のひとつ。辺津宮の境内には八角形のお堂「奉安殿」があり、八臂弁財天と妙音弁財天が祀られている。辺津宮から中津宮へはエスカーの2区・3区でさらに高度を上げ、頂上部の「江の島サムエル・コッキング苑」へ。苑内には明治時代に貿易商サムエル・コッキングが造った温室の遺構が残り、四季の草花とともに散策を楽しめる。その奥に立つのが島のシンボル「江の島シーキャンドル」。海抜約101.5mのガラス張り展望フロアとその上の屋外展望台から、気象条件が整えば富士山や三浦半島、伊豆半島まで360度のパノラマが広がる。三社の最奥「奥津宮(おくつみや)」を参拝したら、さらに先へ足を伸ばして「稚児ヶ淵(ちごがふち)」へ。海抜0mの岩場に下りれば、相模湾の荒波に削られた岩肌と磯の生きものに出会える穴場スポットだ。
稚児ヶ淵から数十メートル進んだ島最奥部に、弘法大師や日蓮聖人も修行したと伝わる「江の島岩屋」がある(有料)。波の浸食によって生まれた奥行152mの第一岩屋と56mの第二岩屋は、ローソクの炎に照らされた石像や龍神伝説のオブジェが並ぶ神秘的な空間で、明るい海辺とは別の島の「奥行き」を体感できる。岩屋の見学後は、来た道を戻るか、近くの乗り場から出る遊覧船「べんてん丸」に乗り、断崖絶壁を海上から眺めながら弁天橋のたもとへショートカットするのもおすすめ。岩屋まで含めた1日プランの所要時間は5〜6時間程度が目安だ。
グルメ面でも江の島は充実している。仲見世通り沿いには生しらすを乗せたしらす丼の店が並び、地元ならではの鮮度を味わえる。生しらすは漁のない日や季節によって提供できない場合があるため、事前に確認しておくと安心だ。各施設を回るなら、セット券やフリーパスの利用も検討したい。混雑しやすい週末や繰り出す夏のシーズンを避けるなら、秋(10〜11月)の平日がベスト。空気が澄んで富士山の眺望が得やすく、仲見世通りもゆったり歩ける。島内はアップダウンがあるため、歩きやすいスニーカーと現金(一部施設でカード不可)を持参しよう。
