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2026.09.21
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鎌倉
かがり火に揺れる幽玄の世界——「第68回鎌倉薪能」、10月9日に鎌倉宮で開催
1959年から続く鎌倉の秋の風物詩が今年も幕を開ける。杜に囲まれた特設能舞台に、金春流の能と和泉流の狂言が幽玄の夜を彩る。
秋の夕暮れが迫り、鎌倉宮の杜が静かに暗みはじめる頃、かがり火が舞台を照らし出す。それが「鎌倉薪能」の始まりだ。今年は2026年10月9日(金)、第68回目の公演が鎌倉宮境内の特設能舞台で開催される。開場は17時、開演は18時、終演は20時30分頃を予定している。
鎌倉薪能は1959年の第1回以来、半世紀以上にわたって続いてきた、奈良・京都に次ぐ長い歴史を持つ薪能だ。1869年に明治天皇の勅命によって創建された鎌倉宮は、周囲を山の杜に囲まれた荘厳な空間であり、そこに設えられた特設能舞台が薪の炎に照らされる様は、他の野外能では体験しがたい特別な緊張感と静謐さをまとう。虫の音、風のそよぎ、薪のはぜる音——それらが舞台の音と重なり合い、観客を幽玄の世界へと誘う。
本年の演目は、金春流による素謡「翁」と能「黒塚」、和泉流による狂言「清水」の三本立て。「翁」は能の演目の中でも最も格式が高く、天下泰平・五穀豊穣を祈る儀式的な性格を持つ。「黒塚」は安達ヶ原の鬼女伝説を題材とした幻想的な能として知られ、秋夜の薪能にふさわしい演目だ。チケットはS席12,000円、A席9,000円、B席7,000円(全席指定・解説入りパンフレット付き)。CNプレイガイドのウェブまたはファミリーマート店頭の「マルチコピー機」にて購入できる。
雨天の場合は鎌倉芸術館大ホールが代替会場となる。毎年全国から観覧希望が寄せられるこの大会は、中秋の鎌倉の風物詩として深く定着している。日常の喧騒を離れ、かがり火の揺れる秋夜に古典芸能と向き合う時間——700席の空間に、その特別な一夜が今年も用意されている。