イベント
砂浜に現れる、13日間だけの映画館
2010年に始まった、逗子海岸を舞台にした野外映画祭。
逗子海岸映画祭は、世界を旅する野外映画館プロジェクト「CINEMA CARAVAN」が創り、2010年からゴールデンウィークの時期に逗子海岸で開催されている野外映画祭である。「Play with the Earth(地球と遊ぶ)」というコンセプトのもと、砂浜にスクリーンを設置し、いくつもの大きなテントが立ち並ぶ手作り感あふれる会場がつくられ、日中は音楽やアート、日替わりのフードやワークショップを楽しみながら過ごし、夜になると波の音をBGMに映画を鑑賞するというスタイルが特徴だ。2026年に第15回を迎え、4月24日から5月6日までの13日間にわたって開催された。会期が終わると、逗子海岸はまた静かな浜へと戻っていく。
上映される作品は、海辺で観たくなる名作から、CGを使わずに世界各地の世界遺産を巡って撮影されたカルト的なファンタジー作品まで幅広く、子ども向けの企画やストリートカルチャーをテーマにした日など、映画以外のコンテンツも充実している。逗子にあるシネマカフェに集った仲間たちのつながりから始まったというこの映画祭は、地域に根ざした草の根のカルチャーが、いかにして全国的なイベントへと育っていくかを示す、ひとつの好例になっている。
チケットは事前に販売され、1日の定員に限りがあるため、早めの購入が安心だ。日中はフードやアート、ワークショップを楽しみながら過ごし、日が暮れると波の音をBGMに大きなスクリーンで映画が始まるという流れは、都会の映画館では味わえない特別な体験だ。開催期間中は逗子の海岸一帯が非日常的な空気に包まれ、地元の人々にとっても年に一度の楽しみになっている。
地域の小さなつながりから始まったイベントが、これほどの規模に育っていったという事実は、湘南の他のエリアにとっても大きな示唆を与えてくれる。
逗子海岸へはJR逗子駅や京急の逗子・葉山駅から歩いて向かうことができ、開催期間中は多くの人でにぎわう。ゴールデンウィークの旅行先として、江の島や鎌倉とあわせてこの映画祭に立ち寄る計画を立てる人も増えている。
逗子海岸花火大会やCINEMA AMIGOの記事とあわせて読むと、逗子という街が育んできたイベント文化の全体像がより立体的に見えてくる。
映画祭は雨天でも開催されるが、大雨や強風など危険な状況では中止となることもあるため、事前の情報確認が欠かせない。