観光
謎に包まれた、鎌倉唯一の国宝仏
誰が、いつ造ったのか。今も解明されていない鎌倉大仏の謎。
鎌倉の象徴ともいえる鎌倉大仏を本尊とする高徳院は、浄土宗の寺院である。正式名称を銅造阿弥陀如来坐像といい、鎌倉にある仏像の中で唯一、国宝に指定されている。『吾妻鏡』には、寛元元年(1243年)に初代の木造の大仏の開眼供養が行われたとの記録が残されているが、現在の銅造の大仏がいつ、誰によって造られたのかについては、実は今もはっきりと分かっていない部分が多いという。
かつては大仏殿と呼ばれる建物の中に安置されていたとされるが、室町時代以降の記録では、すでに屋根のない露天の状態になっていたことが分かっており、「露坐の大仏」として広く知られるようになった。度重なる津波や台風によって建物が損壊し、そのまま再建されなかったのではないかとも考えられている。真言宗、臨済宗に属した時期を経て、江戸時代に浄土宗の寺院として現在の姿に落ち着いた。
境内にある大仏の胎内は有料で拝観することができ、銅の鋳造技術の詳細を間近で見学できる貴重な機会になっている。参道の入り口付近には土産物店も並び、大仏をあしらったサブレーや置物など、鎌倉らしいお土産を購入することもできる。
長谷寺や由比ヶ浜にも近いこのエリアは、江ノ電・長谷駅から徒歩7分というアクセスの良さもあり、鎌倉観光の定番コースに欠かせない一角になっている。謎に包まれた歴史を持つ大仏を前にすると、七百年以上の時を超えて今も多くの人を惹きつけ続けているその存在感に、あらためて圧倒される。
境内には大仏だけでなく、与謝野晶子の歌碑や観月堂といった見どころも点在しており、ゆっくり散策すれば1時間ほど楽しめる。長谷駅周辺には土産物店や飲食店も多く、大仏参拝とあわせて鎌倉らしい食べ歩きを楽しむ人も多い。七百年以上前から変わらずこの地に佇んできた大仏の姿は、鎌倉という街の歴史そのものを象徴する存在であり続けている。
拝観時間は季節によって変わるため、訪れる前に最新の営業時間を確認しておくと安心だ。
七百年以上前からこの地に佇む大仏の存在感は、何度訪れても新鮮な感動を与えてくれる。
湘南Doors編集部としても、この大仏の記事を通じて鎌倉の奥深さを伝えていきたいと考えている。
その存在感に、また会いに行きたくなる。
鎌倉観光の締めくくりに、ぜひこの大仏の前に立ち寄ってみてほしい。
鎌倉という街の懐の深さを、この大仏はいつも静かに教えてくれる。ぜひ一度、その足元に立ってみてほしい。