文化
震災が地中から呼び覚ました800年前の橋——茅ヶ崎市博物館で古相模川展開催中
旧相模川橋脚の国史跡指定100年を記念する展示が、茅ヶ崎市博物館で10月20日まで開催されている。
茅ヶ崎市堤にある茅ヶ崎市博物館で、旧相模川橋脚国史跡指定100年記念展示「ちがさき今昔 ― 古相模川編 ―」が7月25日から10月20日まで開催されている。かつて茅ヶ崎市域の南西部、萩園・今宿・下町屋・柳島周辺に流れていた「古相模川(ふるさがみがわ)」をテーマに、縄文時代から江戸時代まで時代をたどりながら、川とともに歩んできた地域の歴史を紹介する企画展示だ。観覧は無料。
展示の核となる「旧相模川橋脚」は、1923年の関東大震災とその翌年の余震による液状化現象によって、水田の中から姿を現した全国的にも珍しい遺跡だ。歴史学者・沼田頼輔博士の考証により、鎌倉時代の1198年に源頼朝の家臣・稲毛重成が亡き妻の供養のために架けた橋の橋脚と判明し、大正15(1926)年10月20日に史跡に指定された。つまり今年は、その国史跡指定からちょうど100年という記念すべき節目にあたる。また、液状化現象の様子をよく示す貴重な例として、平成25年には天然記念物にも指定されている。
本展では古相模川流域を縄文時代から近世・近代へと時代ごとに辿り、川と人々の暮らしの関わりに光を当てている。江戸時代には柳島村の藤間家や萩園村の和田家が廻船問屋や名主として地域社会を支えたことも紹介されており、海と川が茅ヶ崎の歴史に果たした役割の大きさが伝わってくる。また、9月20日(日)には「人物でみる茅ヶ崎の歴史」と題した関連講演会も予定されている(14:00〜16:00、先着50名)。
茅ヶ崎市博物館は、里山のある豊かな自然環境に囲まれた施設で、周囲には市指定重要文化財の旧和田家住宅・旧三橋家住宅や浄見寺なども点在し、散策と合わせて楽しめる。「大地と人のものがたり」をコンセプトとする博物館の本領が発揮された今展示は、足もとの地層に眠る歴史と向き合う絶好の機会だ。入館無料というのも嬉しい点で、ふらりと立ち寄りやすい。

