グルメ
「レンバイ」の愛称で親しまれる、鎌倉野菜の即売所
生産者と客が直接会話しながら買い物ができる、鎌倉の台所。
鎌倉市小町にある鎌倉市農協連即売所は、地元では「レンバイ」の愛称で親しまれている野菜の直売所である。色とりどりの人参や、個性的な形をしたかぼちゃなど、いわゆる「鎌倉野菜」がずらりと店先に並び、買いに訪れるのは近所に住む主婦から、地元の飲食店で腕を振るうシェフ、観光で立ち寄った旅行者までさまざまだ。生産者自身が売り場に立ち、客と直接言葉を交わしながら商品を売るというスタイルは、都市部のスーパーではなかなか目にすることのない光景であり、この対面でのやり取りそのものがレンバイの大きな魅力になっている。
昭和3年に生まれたレンバイは、地元農家が班ごとに交代で店に立ち、旬の農産物を販売するスタイルを今も続けている。観光客にとっては鎌倉らしい写真映えするスポットとして人気を集める一方で、地元の人々にとっては何気ない日常の買い物先であり続けているというギャップこそが、この場所の面白さだ。観光地としての鎌倉と、日々の暮らしが営まれる鎌倉が、ひとつの通りの中で自然に交差しているという事実は、鎌倉という街全体の性格をよく表している。
レンバイでは4つの班が交代で出店するため、日によって並ぶ野菜の顔ぶれが変わるのも魅力のひとつだ。「鎌倉野菜」という呼び名は、色や形にこだわった多品種の野菜を、生産者自らが手をかけて育て、直接売り場に立って売るというスタイルとともに、次第にブランドとして認知されるようになっていった経緯がある。観光客が写真だけ撮って通り過ぎることも多いが、実際に買って帰れば、鎌倉の食文化をそのまま自宅の食卓に持ち帰ることができる。
生産者と客が言葉を交わしながら買い物をするという光景は、効率化が進む現代においてはむしろ贅沢な体験だ。レンバイに立ち寄るたびに、鎌倉という街の食の豊かさを実感させられる。
レンバイは鎌倉駅から徒歩数分というアクセスの良さもあり、観光の合間にふらりと立ち寄れる場所として地元でも観光客にも親しまれている。販売時間は班や農家によって異なるが、朝8時頃までには販売の準備が整い、野菜が無くなるか日没くらいまででその日の販売を終える。品揃えを楽しみたいなら早めの時間に訪れたい。
しらすやや湘南しらす丼の記事とあわせて読むと、鎌倉という街が持つ食の豊かさが、野菜と魚介の両面から立体的に浮かび上がってくる。
レンバイでは季節ごとに珍しい野菜が並ぶこともあり、地元の常連客の中には毎朝立ち寄ってその日の入荷を確認する人もいるという。
